ひとりひとりに適した対応を

日本の高齢化は、世界からみても著しく進んでいます。そして、年をとっても元気に過ごせるよう、病気をしても充実した生活を送れるようにと、介護予防や介護サービスは多種多様となってきています。

当然のことながら高齢者も様々です。人間ひとりひとり違うが高齢になるにつれ、育った環境・時代などで考え方や性格というのはだいたい固定されてきます。介護現場の介護士はそういった点を十分に考慮して、高齢者に接しなければなりません。

身体に障害がある場合には、身体の状態に目がいきやすく、自分の中でいつの間にかマニュアルができてしまうことがあります。通所サービスを例に挙げてみると、見た目には元気でどこも悪くないように見える方、車椅子に座り半身が麻痺している方、身体の状態は様々です。目的により誰でもどこにでも入れるわけではありませんが、たいていの施設では利用者の身体レベルは幅広いことが多いでしょう。

ここで特に注意したい点は、あまり手のかからない身体レベルの高い方です。
介護を特に要する方とは、自然と接する時間が長くコミュニケーションも図りやすいため、高齢者側も気分転換となりやすいです。
しかしあまり介護を要さない方、特に内向的な性格の方はなかなか環境に馴染めないことがあります。独り暮らしで普段誰とも話をしない方、同居であっても家族とは生活リズムの違いから会話があまりない方もいるのが現状です。

そういった背景も考慮したうえで、身体状態はもちろん、心のケアも含め、介護士はひとりひとりに合わせた対応法を身に付けていく必要があります。相手を理解するには、まず相手を知ることが大切なのではないでしょうか。よく話をしたり観察したりして、相手のことを知っていきましょう。