介護士に求められる真の思いやりとは

近年、デイサービスの普及や老人ホームが増えたことで、高齢者の介護サービスの利用が進んでいます。それに伴い介護士の数も増加する傾向にあります。
そのような中で、介護士は高齢者に思いやりを持って介護をすることが強く求められています。しかし、このような介護士に求められる思いやりとはいったい何でしょうか。

そもそも、介護の目的の中には、自立支援も含まれています。よく耳にするお年寄りは労わるべきだとういう話がありますが、これは少し意味が違う形で用いられています。すなわち、お年寄りを労わるとは、お年寄りの願いを全て従順に聞くべきだとする意味で使われてしまっていることがあります。しかし、これは間違えです。

そもそも、ノーマライゼーションの精神の下、高齢者の介護は、その人が持っている能力を補助することが真に重要なことです。そのため、高齢者が自分自身でできることを楽をしようと思い、介護者にお願いすることは、その人の自立支援を妨げ、その後、今できる動作をできなくすることに繋がってしまいます。そのため、介護の視点で考えれば、本来してはいけないことだと言えるのです。

思いやりのある介護を実現することとは、あくまでも要介護者の状況を正確に把握し、その人が生きていく上で、必要な補助をすることです。そのため、優しすぎず、厳しすぎずに、要介護者の人と接することが本当の意味で理想的な介護だといえます。そのため、このような介護が実現されるためにも、各施設でのスタッフの指導が期待されます。